子どもの頃ピアノを習っていた方や、部活動で吹奏楽部に入っていたという方は多くいらっしゃると思います。私自身はピアノも吹奏楽もどちらも経験がありますが、現在はそのときとは違う楽器に夢中になっています。
 その楽器とは“チェロ”という楽器です。チェロは弦楽器の中のひとつで、バイオリンが十数倍くらいに大きくなったものを想像していただけるとよいかと思います。高校時代の部活動がきっかけで始め、大学生になってオーケストラサークルに入ったことでさらに、大勢で演奏する楽しさや音楽を通して心が通じ合っていくような気持ちを知り、その魅力に取りつかれていきました。
 今まで多くの演奏会に参加してきましたが、その中で一番印象に残っている演奏会は、宮崎県の都城で行なったものです。九州出身の学生が集まって行なった演奏会で、他大学で活躍する演奏者との人脈を広げるきっかけになりました。多くの刺激も受け、とても熱い演奏会を経験することができました。毎回の演奏会で新しい出会いがあり、音楽的・人生的に刺激されるところもオーケストラの面白いところのひとつです。
 弦楽器は、腕や指先の力は必要ですが、管楽器のように息を使わなくていいため、体力が衰えてきても続けられる、生涯を通してできる楽器です。そのため、私の人生の目標の一つとして、「自分が死ぬ間際まで弾き続ける」という目標を掲げています。この目標が仕事を頑張るモチベーションや、つらいときにも耐えられる力になっていると思います。みなさんも一生涯続けられる趣味や好きなことを探してみてはいかがでしょうか。

 最後に、私のおすすめの一曲をご紹介します。チャイコフスキー作曲の序曲『1812年』です。チェロだけで演奏している冒頭のメロディーと、大砲を模した(実際に大砲を使って演奏されたこともある)後半の盛り上がりが聴きどころです。ぜひ一度聴いてみてください。