日本と中国は、数千年前から文化習慣で密接な関係と交流を持っています。しかし、時間の経過にしたがって、両国間の祝日の習慣は変化が起こり、たくさんの共通することと相違点がでてきました。両国間の文化吸収、融合と発展を明確に表しています。しかし、いかなる変化があっても、両国民また言葉でも、もっとも大切な祝日は新年であり、新年は最も盛大な伝統的祝日であり、新しい年への交代、家庭団欒の祝日です。
日中両国民は共に新年をお正月とよんでいます。しかし、新年の時期は変化が起こっています。日本は明治維新後太陽暦の元旦を新年とするようになり、中国は今でも旧暦の新年を正式な祝日としています。
中国の新年は「春節」とも呼び、旧暦のお正月1月1日を元旦や、元辰といいます。しかし、春節は1日だけではありません。旧暦12月23日から新年15日までは春節期間です。旧暦12月23日の節句の主な活動はかまどの神様を祭ることです。かまどの神様を祭ることは、民間に伝わるかまどの神様の風習でかまどの神様は一家の守り神と言い伝えられています。春節期間中最も大切な日は30日です。旧暦12月最後の夜を「除夕」と呼びます。意味は古い一年はもうすぐ終わり、悪いことは取り除くということです。
中国では年越しのあらゆる準備はとても忙しいです。かまどの神様を祭った後、年越しの雰囲気は町のあちこちに満ち溢れ、年越し品の買い物、春節15日間の準備、大掃除、新しい洋服の準備など人々はせわしない気分になります。大掃除は悪い運気を取り除くといわれており、この点は日本と同じです。お正月一日は玄関に神様や「福」の字の張り紙をします。また爆竹を鳴らし、各家庭に「春聯(対になった短冊のようなもの)」を張ります。書いている内容は明るい願望等です。
新年の食べ物は、中国北方地方は春節を過ごす時に餃子を食べます。それは、餃子の形が古代の財宝に似ていて、新年に餃子を食べることは金運アップになるからです。また、餃子の餡の中に縁起のよいものを包んで人々の新年の希望を託すのです。餃子の中に砂糖を入れるのは食べて新しい年が甘く美しい一年になるように、ピーナツを入れるのは長寿を願うからです。ひとつの鍋の餃子の中に一枚だけコインを入れて、これを食べた人はお金持ちになるともいわれています。また、最も大切なのは食卓上に必ず魚料理があることです。でも、全部食べてしまってはいけません。それは永遠に続くということを意味するのです。なぜなら中国語で魚と、まだあるを意味する「余」の発音は同じだからです。
お正月一日に人々は早起きして、きれいな洋服を着て、親類縁者を訪ね新年の挨拶をします。年長者は年少者にお年玉を準備します。お正月二日は友達を訪ね、三日は娘婿とお嫁さんがお嫁さんの父親を訪ねます。四日は各家庭のかまどの神様を送り出し、五日は金運の神様を迎え、五日に各会社にとって特別大切といわれる元宵節があり、丸いお団子を食べます。それは、一家団欒の日でもあります。
旧暦の12月23日から始まり1月15日までの中国の春節期間は毎日いろいろな活動があります。それはとても重要ではあるけれども、現在の都市の若者は、あまり興味を持たなくなり、その活動の具体的意味もわからなくなってきています。ただの一年の中の大切な節句と思っています。日本も以前は意味があって元旦から正月三日にお屠蘇を飲んでいましたが、今は清酒もビールもウィスキーも同じものになってしまったのと似ています。
日中両国の若者が伝統文化を学習し、お正月の本当の伝統を次の世代に継承し、新年が一年の中で一家団欒の日となり家族挙げての伝統的な祝日となることを希望します。
※「福」は幸福を代表する字で逆さにすることで「福が来る」を意味します。