「5G」って、皆様何だか分かりますか?すでに関心があり、心待ちにしている方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
5Gとは「第5世代移動通信システム」のことで、現在主流の携帯電話通信システムである4G(LTE)の後継となる通信規格です。4Gと比較して様々な点が強化されますが、主に以下の3点が挙げられます。
①高速・大容量 ②低遅延 ③大量・多種の端末への同時接続
2018年3月に東京国際交流館で行われた「5Gシンポジウム」で、これら実証実験の成果が発表されました。日本では2020年に商用サービスの開始予定とされていますが、5Gは社会でどのように役立つのでしょうか。
一般的に最も身近で実感しやすいのは、やはり「高速・大容量」でしょう。こちらはスマホの電波がつながらない問題や、動画が止まってしまう問題などが解消出来、端末の性能次第ではスマホでも4K画像の送信が可能になると言われています。鮮明な4K画像を送受信できることで、遠隔医療の実現にもぐっと近づきます。
そこで同時に必要となるのが「低遅延」です。いくら高速であっても転送遅延が発生すると、実際の動作とモニターの動作とに時間差が生じ、遠隔診療は出来ても遠隔手術を行うことは不可能となってしまいます。従来の4Gの遅延は0.05秒前後に対し、5Gでは0.001秒前後へと短縮しました。例えば手を振った場合、4Gでは動きについていけず手の動きが遅れたり、コマ送りになったりする現象が、5Gの遅延レベルは人間の目では認識出来ない程度ということです。これは車の自動運転の安全性の向上にも活用されることでしょう。
そしてもうひとつ、「大量・多種の端末への同時接続」。こちらに関する問題としては2011年の東日本大震災で被災者、または被災者を心配する方が震災地の内外から一斉に電話をかけようとしたことで回線がパンクしたことは知られていますね。災害時など一斉に多数の通信が発生する場合や、多数の物体の位置を正確に把握する能力が向上すれば、この問題が解消し、誰がどこにいるのか基地局で把握できるため、被災者の安否確認に時間がかからず早く安心を得られます。
私個人として期待するのは遠隔医療です。私は、NPO法人のとある医師団に寄付をしていますが、寄付だけで運営される活動には限界があり、常に医師不足です。遠隔でも診療を行える環境が、紛争と貧困にさらされている国々にも普及し、一人でも多くの命が救われ、一人でも多くの苦しみが和らぐことを祈ります。
通信システムとは切っても切り離せない現代、皆様におかれましても多大なる恩恵を受けるのではないでしょうか。商用サービス開始まであと1年。5Gの新時代はもうすぐです!