初詣の大社参拝、春にはその大社からさらに奥にある森林公園にツツジを見に、幼い頃両親と行っていた思い出の高良大社を今回紹介したいと思います。
 耳納連山の西端に位置する高良山(312メートル)。その中腹に鎮座するのが高良大社です。筑後の国(久留米市)一の宮と称され、一年を通して参拝者の絶えることなく、この地を訪ねてきたみなさんが高良大社の森に訪れ、自然や史跡を楽しんでいます。
 高良大社へのアクセスは、車では九州自動車道久留米インターを降りて御井町方面、高良大社の案内を目印に、JRでは久大本線久留米大学前駅を下車、駅そばの南筑高校の先を左折大社へ導く標識に従って歩く。久留米藩士有馬忠頼が寄進した国指定重要文化財(石造大鳥居)が現れます。すぐ先の分かれ道を右へ進み御手洗池を過ぎると、二の鳥居があり久留米大学駅から約25分で到着します。
 国指定史跡の高良山神籠石を横切る。この神籠石は古代の山城の一種といわれ、大社の背後から約1.5キロにわたり列石がめぐらされている。さらに参道を登ると、神馬のひづめ跡が残ると言われる(馬蹄石)、式内伊勢天照大御租神社などが現れる。動植物も多く見られ、花の蜜を求めるヒヨドリやメジロとも出会う。
沿道にはアジサイや高良山本坊跡付近にはカエデが植栽され森の四季を彩ります。
 さらに登り石段を上ると、モウソウキンメイイチク林が現れ、貴重な竹林で国の天然記念物に指定されている。高良玉垂宮と書かれた鳥居をくぐり石段を上り詰めると、二の鳥居から35分程で社殿前に到着する。ご神木は樹齢約400年のクスノキの大木で、福岡県の天然記念物に指定されている。
 高良大社に上り石段は急で100段以上あり、お年寄りや体の不自由な方のために、2017年に小型のロープウェイが設置される。大社の展望台からは、筑後川、久留米市街地などが見渡せる。高良山奥の院まで足を延ばしてみる。森林公園遊歩道の標識から参道に入ると、寒い時期はアオキ、アリドオシ、ハナミョウガなどの赤い実が目立つ。どんぐりがなるアラカシやシイノキなどの自然木、特にシロバイが多い。奥の院には30分程で着き、1時間半ほどの散策コースは終了です。
 この原稿を書きながら、高校生時代に高良大社から森林公園までのマラソン大会を思い出し、母校校歌が(高良の高嶺まどかにそびえ、さみどり匂う朝妻が丘)と懐かしく口ずさんでいました。
 高良大社まで(山登り)は、史跡を静寂が包む参道であり、自然が多くたくさんの人々とのコミュニケーション場所でもあり、とても立派な大社だと私は思っています。
 みなさんも是非、お正月の初詣や、4月中旬頃が見ごろの森林公園のツツジを見に行かれてはいかがでしょうか?