マイオアシス
 昨年友人の紹介で8月31日(土)と12月1日(日)に福岡での講演会に参加した。紹介を受ける前からお話は聞いていたが、初めは付き合いで、二度目は中々人が集まらないとのことで参加した。
 講師のお名前は久保田弘信(くぼた ひろのぶ)、フォトジャーナリストと名乗っている。私はその肩書よりも、テーマ「メディアで報道されない紛争の真実」の方に惹かれた。フォトジャーナリストは「戦場カメラマン」とも呼ばれる。雑な表現で申し訳ないが、久保田氏は本当に危険ないつどんなことで命を落とすかも分からないような紛争地域に何度も通い、特に難民キャンプで出会った人たちと親交を深め、出会ってからずっとその人たちの記録をカメラで追い続けている。2003年3月アメリカがサダム・フセイン政権下のイラクへの攻撃を始めた時、彼がその空爆の様子を首都バクダッドから日本に向けて実況中継を行ったことは知る人ぞ知る事実である。それを機に何度かテレビ出演(筑紫哲也のNEWS23等)の機会があったそうだが、日本ではあまり視聴率が取れないため、ほとんど紛争地域の映像は流れない、日本から遠い国のニュースは日本には入って来なくなっている。報道の自由度ランキング(国境なき記者団が毎年発表を行っている)というのがあるが、世界180国中、日本は70位(昨年は68位)、日本には「記者クラブ」制度があり云々というのはいつも言われるが、70位と言われても実際ピンと来ない。それはそれとして、久保田氏のような特殊なフリージャーナリストが食べて行けるようになって欲しいと思って応援しています。
 ここで彼の本を紹介します。「世界のいまを伝えたい」(汐文社)、写真集「僕が見たアフガニスタン Afghan Blue」(虹有社)、他写真集数冊。前者は久保田氏の生い立ち、フォトジャーナリストとなって、危険な戦地に向かうようになった経緯やアフガニスタン、イラク、シリアでの取材記録、難民キャンプへの個人的な支援の話等が書かれています。
後者は戦禍の只中にあるアフガニスタンで寒さと飢えの極限状態のなかにありながら、強く生きる人々の姿。無邪気に投げかけられる子供たちの笑顔、収穫を喜ぶ大人たちが印象的です。
(第8代国連難民高等弁務官 緒方貞子氏より帯紙を書いてもらったそうです。)
久保田氏は定期的にニュースレター(動画)を配信しています。
興味を持たれた方、「The Real Report」はコチラから https://gandg.hp.peraichi.com/trr-offer