マイオアシス
 近年TV番組でも俳句を扱った番組が目立つようになってきた。毎年開催される俳句甲子園も3年ぶりに松山市街で熱戦を繰り広げ開成高校が三連覇した25回大会が、無事幕を閉じた事は記憶に新しい。
 一方高浜虚子が率いる「ホトトギス」発行所であった丸の内で東大俳句大会が1920年に発足し、京大俳句も活発に活動する等若者達の勃興期もあった。戦後の昭和30年代半ば頃からのカルチャーセンターブームもあって俳句結社もアメーバーのごとく分割拡大した。
 しかし、これらの結社は、最近では会員の減少傾向が加速している。
 現在の俳句人口は一体どの程度なのか。秋の夜長を手元の俳句年盤などを基にトリビアルな事と思いつつ作成したのが上の推定表です。  年盤に掲載の俳句結社の情報では、会員数の項目はなく手掛かりとなる発行部数も半数以上が未発表でその総数はつかめない。発表されている発行部数の中には結社同士の交換誌や一部購読者への郵送用などが含まれているので表示の9掛を会員数ととらえ、各県の活動状況などを勘案し、県人口との県の結社数から会員数の係数を5段階に決めて会員数の推定をした。俳句人口としては結社の会員数のみならず、学校の俳句会・カルチャーセンター・新聞社50社の投句者・各種同好会・Web句会参加者など加えると会員推定値の15%位が嗜んでいるのではないか。しかしここでは毎月一定の句作を投句する結社会員数をもって俳句人口と捉えた。一人で数結社に所属する人もある等を勘案すれば、以上で算出した結果が近似値として機能するものと仮定した。
 結社数の上位10位までと、下位10県のみを掲出。
 俳句会は正岡子規、高浜虚子の流れをくむ伝統俳句大会・金子兜太、宇多喜代子等の流れをくむ現代俳句協会・それと水原秋櫻子、山口誓子の流れをくむ俳句協会があり結社会員の20%位が所属している。この他に有馬朗人らが結成した国際俳句協会がありこの会には前3協会の有志が加盟し世界一短い詩としてのユネスコ遺産の登録を期した活動をしている。福岡市東区にあって、3000部を誇る小原青々子の「冬野」も現在は大野城市にあって発行部数は400部として大正12年創刊の灯しを続けている。
 中央区の歯医者の野中亮介主宰の「花鶏」は200部前後の発行で水原秋櫻子系だ