福岡卸センター地区にある業種規制の一部緩和を機に、『小売店の出店
が活発化する福岡流通センター』として、9月26日付の繊研新聞にオロシ
アムFUKUOKAの様子が掲載されました。
 
繊研新聞 2018年9月26日付 
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規制緩和機に小売りに本格参入

≪卸、メーカーが集積する福岡流通センター 街の活性化、にぎわいへ≫
    ファッション関連の卸やメーカーが集積する福岡市東区多の津の福岡流通センター。4月、福岡市が同センターの福岡卸センター地区について、「卸売施設」から「広域都市計画流通業務団地」に変更する規制緩和を実施。小売りはこれまでの150平方㍍から1000平方㍍以下まで可能となり、新たにショップをオープンする企業が出てきている。ほぼ業界関係者しか訪れない地区に消費者を呼び込むことで、「未来に残る、残す街」への取り組みが始まった。
≪常設ショップオープン≫
  福岡流通センターは九州自動車道福岡インターやJR福岡貨物ターミナルから近く、福岡空港やJR博多駅からも車で約15分と好アクセスの立地だ。卸や運輸、倉庫業などが集積しているが、ファッション関連は最近はやや減少傾向となっている。婦人服、服飾雑貨卸フォーサイトの金古嘉喜社長は「卸事業だけでは先が見通せない」と、直営店も運営する。今回の規制緩和を受けて、5月24日に本社別館に「メンバーズショップ」をオープンした。売り場面積は約180平方㍍で、品揃えは靴やバッグ、スカーフなどの雑貨が中心。同日には靴卸のアルシュも「アウトレット・シューズショップ・ミネルヴァ」をオープンしている。いち早く4月にオープンしたのがセムグループのセムミモザが運営する「アウトレット・プラザ」。店舗は1階がメンズ・レディスのカジュアル、2階はミセス向けエレガンスラインを中心に揃える。周辺地域へのチラシのポスティングや団地の各企業への配布などを行い、出足は好調だった。その後はやや厳しい状況となったが、ゴールデンウィークや母の日など、毎月のイベント実施、DMやチラシ配布などで徐々に認知が高まり、リピート客も増え遠方からの来店も見られ、「6月からまずまずの状況」としている。
≪認知度向上が課題≫
  同センターの協同組合オロシアムFUKUOKAの理事長を務めるフォーサイトの金古社長は「規制緩和は街の発展のためにチャンス。しかし、この場所ですぐに売れるとは思っていない」ともいう。実際、「売り上げや顧客化もまだまだで、これから」。まずは「地域の消費者にショップや買い物ができることの認知を高めていく」ことが重要となっている。そこで7月にはファッション関連の常設ショップと小売りを検討している企業による6社で、初の消費者向け合同イベントを実施した。台風の接近で不安定な天候ながら、「一定の集客があり、成功だった」という。現在、ショップはファッション関連や家具など6店。金古理事長は「バイヤーが来店する地域での小売りに、不安を抱く企業もある」としながらも、「機運は高まっている。早く足並みを揃えて、街全体でアピールしていきたい」という。
  今後、複数の企業が団地内で小売りも実施する予定で、福岡卸センター小売部会の発足に向けた取り組みも進んでいる。