今年はラグビーワールドカップもあり、今までラグビーに興味がなかった方々もラグビーをテレビ中継やパブリックビューイングやネット上の動きなども含めて観る機会が多くなり空前のラグビーブームが起きています。日本も念願のベスト8進出達成をし、日本全体が盛り上がりました。地元選手では福岡堅樹選手、流大選手の大活躍が記憶に新しいところです。
 ラグビーの試合を見るときに、ニュージーランドの代表選手(オールブラックス)が試合前に踊っているのを見たことはありませんか?
 あれは、「ハカ」という踊りで、ラグビーの試合前に披露するのが伝統となっています。ラグビーに詳しくなくてもハカの存在を知っている人もいるほど有名な伝統となっています。でも、一体ハカにはどんな意味が込められているのか?を知っている人は多くはないのではないのでしょうか?今回はハカの意味やなんで試合前に踊るのかを紹介したいと思います。
 まず、ハカとは元々はニュージーランドの先住民であるマオリ族が踊っていた踊りです。踊りというと宴会で披露するような陽気なものを浮かべるかもしれませんが、ハカを見たことがある人はそんな陽気な印象は持たないでしょう。ハカはとても力強く荒々しさを感じます。ハカは、相手を威嚇する踊りなのです。マオリ族の戦士が戦いの前に手を叩いたり足を踏み鳴らして自分たちの力を誇示する踊りであります。目を見開いたり、舌を大きく突き出したり武器を振り回したりすることで相手を威嚇します。相手を威嚇するのと同時に戦士たちの士気を高めることもできます。ハカを踊ることで戦の神に呼びかけているとマオリ族は信じているので、ハカを踊ることで勇気と力が湧いてくるのです。英語でハカの事を「war cry」と呼ぶことがあります。日本語だと「戦闘の雄叫び」になります。この言葉が示すようにハカは戦闘前の踊りなのです。また、マオリ族と同じ先祖を持つポリネシアの国々、サモア、フィジー、トンガにも独自のハカがあり、今や国際試合ではオールブラックスと同じように試合前に踊りを披露してくれます。最近ではこれらの国同士で試合をすることも多く、試合前のハカの対決を見れることもあります。
 来年には、東京オリンピックが開催されその中の種目に7人制ラグビーが実施されます。これからもラグビー人気が高まって、もっと盛り上がれば私としてはうれしいです。