GW真只中の令和4年5月1日、約3年ぶりに伊勢神宮へ足を運ぶことができました。この日の関西地方は朝からあいにくの雨模様、宿泊地の京都から車を走らせ伊勢へと向かいました。
 神宮到着は午後2時ごろ。すっかり雨もやんで雲の切れ間から青空がのぞいています。振り返ってみれば昨今のコロナ禍でこれまでの当たり前が当たり前でなくなり、それをきっかけに防疫や衛生対策のみならず様々な常識がうねりを上げて変化していきました。
 はじめて経験する移動制限もそのひとつで、行きたいところへ自由に行くことがままならず、会いたい人に会えない日常を想像したことはなかったです。それに伴う閉塞感は人の心にも大きな影を落とし、今もまだその渦中で長く続く不透明な世界を手探りで歩みを進めているように感じます。

 そんな思いをかかえてたどり着いた約束の地。まずはいつものことがら外宮の参拝からはじまります。鳥居を抜け玉砂利を踏みしめる足音が心地よく、澄みきった清々しい空気が心身を包み込んでくれました。
 参拝を終え内宮へと向かいます。五十鈴川のせせらぎは悠久の時間を刻み、境内にそびえ立つ杉の巨木が天空へと向かう姿は私たちの希望のようにも思え、あらためて生きる力を奮い立たせてくれるような気がします。身の引き締まる思いと、どこからやって来るのかわからない包容力と安心感につつまれ本殿での拝礼は終わりました。

 時代は繰り返すと言いますが、追い打ちをかけるように世界では戦火が広がり今もなお収束の気配がありません。禍を乗り越えた向こう側にはどんな世界が広がっているんだろう。ふとそんなことを考えながら帰路につきました。
 こんな毎日でしたが希望の知らせもありました。この日の前日、今年2月に産まれた初孫に会うことができました。ときおり浮かべる笑顔がたまらなく愛おしく健やかな成長を祈るばかりです。

 今年のGWは原点へと立ち返る旅路となりました。どうかまた慎ましく平穏な暮らしを取り戻すことができますように。