「立つ鳥跡を濁さず」
 誰もが一度は耳にしたことがある言葉について、改めてその意味を考えてみました。
 この言葉は、水鳥が飛び去った後も水面を汚さないことから来ており、「人がその場を去るときは、後始末をきちんとすべき」「引き際(ひきぎわ)は潔くあるべき」という意味を持ちます。それぞれの節目で「去り際の美学」を表す言葉として使われるようです。(AI曰く(笑))
 では、私たちにとって「跡を濁さない」とはどういうことでしょうか。単に職場の机を片づけるとか、書類を整理しておくというだけではありません。もっといろいろな意味で、自分が関わった仕事、人間関係、チームへの影響をきれいに整えて次につなぐ、という心がけだと思います。

 たとえば、職場での引き継ぎ。
 引き継ぎというと、どうしても「業務内容を説明すること」だけに捉えがちです。しかし、本当に大切なのは、その仕事をスムーズに回すための“背景”まで共有することです。関係者とのコミュニケーションの仕方、気をつけておくべきポイント、トラブルが起きたときの対処法、過去にあった経緯、そしてその仕事が今後どう発展していく可能性があるのか――。そこまで含めて引き継ぐことができれば、後任者は安心してスタートを切ることができると思います。

 そして、もう一つお伝えしたいことがあります。それは、年齢や経験を重ねるほど、「譲る場面」が増えていくということです。
 役職を譲る、担当を譲る、チームの中心を誰かに託す。そうした場面は、時に寂しさを伴うこともあります。しかし、そこで大切なのは「自分がどう見られるか」を気にすることではなく、「次に託す人がどうやったら気持ちよくやれるか」を考えることだと思うのです。
 つまり、「立つ鳥跡を濁さず」という行動そのものが、人としての魅力、組織の前進につながっていくのだと思います。

 私たちは日々の業務をただこなしているように見えて、実は次につなぐ人たちのために“舞台を整えている”ようなものです。
 自分が舞台を降りた後、次に立つ人が気持ちよく演じられるかどうか――。そこまで想像し、行動できる人は、どんな職場でも信頼される存在になると思います。
 その積み重ねが、チームの力を確実に高め、職場の雰囲気をより良いものにし、そして何より自分自身の誇りにつながっていくと思います。

 「立つ鳥跡を濁さず」
 この言葉の精神を大切にしながら、清々しい気持ちで仕事に励み、周りに良い影響を与えられる存在を目指していきたいと思う今日この頃です。
 ありがとうございました。