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 監督職(係長・主任)から管理職(課長・部長)になって変わるのはその立場だけではなく、期待される成果や求められる能力も変化していきます。

 監督職の立場では、成績は個人が重要視されます。また部下との接し方は、目的をもって、やる気にさせ、部下からの提案を引き出す。そのためには部下の話しやすい雰囲気つくりと話をさえぎる事無く最後まで聞くことを心がけることが求められる能力の一つであったかと思います。
 管理職になれば部下などとチームで成果を上げる力も求められます。部下との接し方は監督職の能力に加え、相手の考えを聞き、相手に考えさせる、言い換えれば相手に気づきを与えたり、相手から学びを得る能力が求められます。
 こうした新たな能力を開発することは、みずからのスタイルを変えることへの挑戦なのです。

 例えば率先垂範と指示命令で業績を上げてきたが、今以上の成果を上げるために指示待ちの部下を自立型の部下に変えるため、自らのスタイルをつぎのように変える挑戦をした管理職がいます。
 まずは従来の自分中心の自分仕様に部下をコントロールするスタイルを根本から見直ました。

  • 人材配置の見直し。指示待ち化した部下に新たな機会を与える。
  • 60点合格主義とする。そこそこでもやらせてみる。
  • ビジョンは伝えるが、目標とやり方を考えさせ権限を委譲する。
  • 目標に対する進捗と対策は定期的に直接報告してもらう。
  • 目標に対して、どうすればいいですかは禁止、こうしますという提案をさせる。

このスタイルの見直しに合わせ、この人はOK、この人はNGと考えるのをやめ、どうすればこの人ができるようになるかを考え、業績一点集中はやめ、部下一人ひとりのことを考え、指示命令をやめ、質問をし、相手からアイデアを引き出す事に取り組んだ結果、一年後には、部下と信頼関係と方向性をきちんと共有し、それまで知らなかった部下の能力を知ることができ将来を託せそうな人材も見つけだすことができました。

 監督職から管理職へのチャレンジは、決して容易なことではありません。
言葉足りずではありますが、チャレンジに直面している人、見守っている方々のヒントになれば…。