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東京の成田空港を出発し、アメリカのニューヨークで飛行機を乗り換え、更に、ブラジルのサンパウロで乗り継ぎ、ようやくパラグアイ共和国の首都アスンシオンに到着。飛行時間は合計31時間。日本から見て地球のほぼ反対に位置する南米のこの地で、2年間、私はこの国の人々と共に生活してきました。これからみなさんに、パラグアイ共和国の習慣・文化の一つをご紹介します。

〜お茶の習慣〜
日本人は緑茶をよく飲みますが、パラグアイ人もお茶が大好きです。「テレレ」という薬草の入った冷たいお茶を回し飲みするのがパラグアイ流。まず、大きなプラスティックの容器(テルモ)に水をいれ、氷と砕いた薬草をそのまま入れます。そして、グアンパと呼ばれる牛の角でできた器に、マテ茶の葉を砕いたものを入れ、ボンビージャと呼ばれる銀のストローで飲みます。

img_myoasis_0903_2朝、庭に椅子を並べて朝食前に回し飲み。昼休みにまた回し飲み。職場から帰宅し、沈む夕日を眺めながら近所の人と一緒に回し飲み。老若男女、都心部でも田舎でも、各家庭に、いや各自一人ずつといっていいほどの割合で、このテレレセットを持っています。各家庭、職場、会議中も、サッカー観戦中もタクシーやバスの中でもいたるところで、みんなテレレを飲んでいます。一度飲み始めると順番に何周も回し飲みするのです。日本ではまず見られないこの風景。面白いでしょう?
飲まずにはいられない理由に、パラグアイの気候が大きく関係しています。真夏は40度を越える(内陸部では50度近くまで気温が上がる)この国では、定期的な水分補給は欠かせません。味はというと、薬草が効いて「苦い」と感じますが、回し飲みをしているうちに味が薄れすぐ慣れます。

img_myoasis_0903_3始めは、同じストローで色々な人々と回し飲みをすることへ抵抗を感じていたものの、2年もすると飲まずにいられなくなるのです。南米生活の中でテレレはすっかり私の生活の一部となってしまいました。また、テレレを回し飲みすることで、家族や職場仲間、近所の人たちが集まり、そこに自然とコミュニケーションが生まれます。
その「ティータイム」では、老若男女、国籍を問わず、みな平等です。「一緒にテレレ飲まない?」の一言で、そこには「人の和」ができるのです。
みなさん、素敵な文化だと思いませんか?