昨年の冬、久しぶりに福岡に帰省した高校時代の友人とドライブがてら何か体験をしようと計画を立て、女子旅の目的地に選んだのは大分県日田市。事前に情報通の友人が日田杉を使ったワークショップを申し込んでくれており、それ以外は特になにも・・・という自由なスタイルで臨みました。
ワークショップは、日田杉と押し花を組み合わせて、オリジナルのアクセサリーやキーホルダーなどの小物をつくるという内容で、気さくなオーナーさんが用意してくれた押し花の種類は豊富なため、それらを組み合わせてみると、何通りもの可愛いが生まれました(写真はほんの一部にしかすぎません)。
次はワークショップのオーナーさんからお勧めしていただいた場所「鹿鳴庵(ろくめいあん)」へ。
どこかで聞いたことがある名前・・・なんだっけ?と思い出せずに到着した場所は、小鹿田焼(おんたやき)のセレクトショップ兼喫茶室で、セレクトショップに足を踏み入れると、ダンディなオーナーさんが出迎えてくれました。
シュっと整えられた髪形が素敵ですね、なんて話していると、何と行きつけの美容室が同じところでした。そうだ、美容室でいただく珈琲は鹿鳴庵で買い付けされた器で提供されていた!と数行前のなんだっけ?を無事に回収できたのです。ひとつひとつ丁寧に器の話をして下さるオーナーさんのおかげで二人ともお気に入りの器を手に入れることができ、さらには「お店の近くに小鹿田焼の里があるから寄ってごらん」という私たちの次なる目的地を教えていただきました。
少し車を走らせると、小さな集落があり、辺りには「ギーッ、ゴトン」という不思議な音が響き渡っていました。音の正体は、小鹿田焼の原料である陶土(とうど)を、川の流れを利用して粉砕する唐臼(からうす)。その音は、なんと「残したい日本の音風景100選」に選ばれているそうです。ししおどしのような動きで土を砕く様子やその佇まいに、伝統的な技法の趣を感じました。歩いて散策できる小鹿田焼の里には、10軒の窯元が立ち並んでおり、窯元ごとに展示販売をされています。小鹿田焼の独特な模様と釉薬の付け方は、窯元によって雰囲気が全く異なるため、必ず好みの窯元と出会えるはずです。
福岡の有名な小石原焼とは兄弟窯ということでしたので、次は小石原焼を知ることで、それぞれの違いや良さを学びたいなと思いました。
今回の旅での、“偶然”はたまた“必然”に生まれた出会いに感謝したいです。