9年前に別で書いた文章を引用しながら考察したいと思います。

 皆さん茶碗一杯の値段を考えたことがありますか?
 スーパーに行くと5キロ1500円ぐらいから3500円ぐらいのブランド米まで並んでいます。1番の売れ筋が2000円ぐらいです。それを計算すると1キログラム約7合だから1合は57円、1合=茶碗2杯とすると一杯は約29円となるわけです。29円で買えるものと言えばお菓子の「ポッキー」なら約6本、値上がりしてもっと本数減ったかも(笑)、自販機の飲料水一本の約4分の1です。贅沢に思える無農薬米が3000円としましょう。それでも44円です。特売の缶コーヒーよりも安いのです。他の食品なら「安い」と感じる価格でも米なら何故か「高い」とそっぽを向く。特売で5キログラム1700円の米を300円あげて2000円に戻したとたんに客足が遠のくといいます(スーパー店員)。
 ここで言いたいことは「皆さん茶碗一杯の価格をご存知ですか?」知らないままに国力を担う農家の皆さんに一層のコストダウンを要求してないかということです。
 現在日本が抱える諸問題により物価は高騰しています、マスコミにはここで米までが上がると鬼の首を取ったように「米価までも値上がり!」と最も悪者のように取り上げられることが想像できます。燃料や資材高、輸送コストの値上がり等で生産者たちも悲鳴を上げています。たまたま私は仕事柄農業にかかわっておりますのでこの現実を知っているのかもしれません。昔であれば「一揆」が起きるのでしょうが現在ではコメ作りをやめるという選択肢があります。その結果担い手、後継者不足が起きています。さらに頑張っている高齢者も限界というものがあります。
 他社との競争で価格破壊をおこなってきた流通が悪いのかそれを求める消費者が悪いのか?ただ言えるのはこのままでは日本人の主食であるコメ作り農家は減っていくということです。農薬や化学肥料の使い過ぎによる地力の低下や環境汚染問題などもそうですが狭い日本で効率よく大量生産し食べ物を確保するには仕方がなかったことです。
 行き過ぎたことに気がついた生産者たちが手間はかかりますが安全で安心できる食べ物づくりにチャレンジしています。
 国や政府に文句を言うことは簡単です。言うだけでなく行動に移していきましょう。これを応援することこそが次世代の子供たちへきれいな地球を残すこと繋ぐことになるのです。それが今を生きる我々の責任であるような気がしてなりません。